アロマでご褒美の癒しタイム♪という方も増えてきました。アロマには、香りそのものを楽しむだけでなく美肌・アンチエイジング効果をもたらすもの、日焼けしてしまった肌を整えてくれるアロマもあります。
うっかり日焼けやひどい日焼けで困ったときに使える美白アロマテラピーテクニックを5つご紹介します。日焼けケアをしながら心のリラックス効果も得られる女性に人気のアロマ美白法です。
シミやくすみ、肌老化も起こす肌の炎症とは
「若い頃はすぐ消えたシミやくすみが年々消えにくくなった」と悩む女性は多いです。このようなシミやくすみが肉眼で分かるようになるまで、肌の内部では何が起こっているのでしょう。紫外線が原因でシミができるのは誰もが知っていますが、同時に炎症が起こっているのをご存知でしょうか?
日焼けによる肌の炎症
紫外線を浴び日焼けすると肌は炎症を起こします。肌が炎症?ちょっと意外かもしれません。
一般的に肌の炎症といえば、ニキビ、肌荒れ、敏感肌、アレルギーによって肌が赤くなる、かゆくなる、ブツブツとした発疹ができる・・・などを想像しますが、実は肌の炎症とシミ、くすみ、乾燥、しわ、たるみは決して無関係ではないのです。
肌老化の80%は加齢ではなく紫外線が原因だと言われますが、肌が紫外線などの悪影響から肌を守るために戦っている状態が炎症です。
炎症とは肌を守る戦い
肌が炎症を起こすのは肌を守るためです。肌に悪影響を及ぼす紫外線などの異物を無害化したり排除して、肌の健康を取り戻すための一連の過程であり、肌は炎症を起こして異物から細胞や内部組織を守ってくれているのです。
このように炎症を起こしている肌は、通常の状態ではなくいわば戦いモードになっています。異物を倒し、無力化し、追い出している戦いの最中には、肌を元の健康な状態に戻すことが最優先されるので、美肌とかアンチエイジングは二の次で一旦停止になります。
肌は、保護のためにシミの元メラニンを作り、肌の若々しさ、弾力を保つために欠かせないコラーゲン繊維を分断させてまでも戦いに必要な白血球を大量に送り込むために血流を増やすので、炎症が長く続けば続くほど肌は荒らされ破壊されてボロボロになります。
そして、戦いが終わり炎症が治まればまた、肌はいつもの平和な状態に戻る・・・はずなのですが、そうならずに肌内部が炎症し続けることが度々起こることが問題です。
肌が炎症を起こしているときは、ニキビや吹き出物が部分的に赤くなり熱を持ったり、日焼けすると顔や身体が熱を帯びてほてります。やがて時間が経てば熱やほてりが引き、「肌がやっと落ち着いた」と安堵するのが普通なのですが、まだ肌の奥で戦いが終わりだと気づかない細胞たちが暴走すると微弱炎症が止まらずにずっと続き慢性化することがあります。
そんな隠れ炎症の慢性化によってコラーゲンなどの美肌に欠かせない組織が破壊されるため、最も肌を老化させる原因であると同時に、シミやくすみの増加が止まらない原因にもなります。
そこでシミ、くすみを美白ケアして若々しさを維持したいと思ったら、紫外線による一時的な炎症を速く抑えるだけではなく、その炎症が慢性化するのを止めることもとても重要です。
それは決して他人ごとではなく、知らないうちに隠れ炎症を慢性化させる危険要因は私たちの周りにあふれています。屋外だけでなく室内でもどこでも肌老化のリスクはあるので十分に気をつけたいです。
紫外線以外で炎症が起こる原因
微弱で慢性的な肌の隠れ炎症を起こす原因は、紫外線だけではありません。
PM2.5などの環境汚染物質、化粧品に含まれる化学物質、肌に常に存在する悪玉菌の増殖、パソコンやスマホのブルーライトなど。。。 屋外に出る時に紫外線対策だけをすれば大丈夫ではないことを忘れないようにしましょう。
現代社会には、どこにいようと普通に生活しているだけで肌が炎症しそれが慢性化する条件があふれています。
アロマが美白に役立つ理由
アロマテラピーとは
このように私たちは、肌に悪影響を及ぼす原因に囲まれて生活しています。どこでも誰でも肌が年齢上に早く老ける可能性の中で生活しているのです。
それらを避けるだけではなく、日ごろからこまめに炎症を抑え肌を整える美白ケアとして、化粧品によるケアに加え肌により刺激や副作用が少ない精油(エッセンシャルオイル)を上手に活用する方法があります。
美白効果が期待できる精油(エッセンシャルオイル)を利用すれば、できるだけ早く肌の炎症を抑え、肌老化の原因になる活性酸素を必要以上に作らないようにしたり、さらに恐ろしい肌の炎症が慢性化するのを予防することが期待できます。
また、香りの心身のリラックス効果によって精神を安定させたり安眠効果なども期待できるので、精油(エッセンシャルオイル)を使ったアロマテラピーを生活に取り入れる人はとても増えてきました。
ここでアロマテラピーの意味を抑えておきたいと思います。
日本で唯一のアロマテラピーの公益法人として内閣府に認定され、アロマテラピーの普及・調査・研究などの活動やアロマテラピー検定などの各種資格認定を行っているAEAJによるアロマテラピーの定義は以下のようになっています。
アロマテラピーの定義
アロマテラピーは精油を用いてホリスティックな観点から行う自然療法※ である。
※ 自然療法 人間が本来もっている自然治癒力を高めることにより、病気を未然に防ぐ、治癒を促す、体質を改善するなど健康の維持、増進を図ること。 ※ 恒常性 体内の変化や環境の変化にかかわらず、体内環境を一定の範囲で維持するしくみ。 引用:AEAJ(内閣府に公益認定されたアロマテラピー関連で唯一の公益法人) |
アロマが脳に伝わりリラックス効果を及ぼすメカニズム
そこで疑い深い私は1つ疑問が起こりました。鼻から匂いをかいだだけでどうしてリラックスできるのでしょうか?
私たちが何かの香りをかぐと、まず鼻の奥にある嗅上皮(きゅうじょうひ)という粘膜に溶け込みます。そして、嗅細胞の先端部分の嗅毛がそれをキャッチすると、香りの情報が電子信号に変換され、大脳辺縁系に伝達されるとそこで初めて「臭い」として認識されます。
この電気信号は、身体の生理機能をコントロールしている視床下部に届き、自律神経系、ホルモン系、免疫系などの身体を調節する働きにも影響を及ぼします。
<香り情報の伝達による2つの流れ>
① 鼻 → 脳の大脳辺縁系 → ホルモン及び神経伝達電物質を放出する → 精神的、感情的に影響を与えて「 落ち着く」、「元気になる」 |
引用:AEAJ
このように、香りには心身を癒したりコンディションを整えてくれる働きがあるので、自分の目的に合った香りを選びアロマテラビーに利用すると、薬や化粧品に頼らずに美肌やアンチエイジング効果が期待できたり、自律神経の乱れが整えられて良質の睡眠やリラックス効果が得られると言われています。
精油(エッセンシャルオイル)とキャリアオイル
アロマテラピーでは、精油(エッセンシャルオイル)とキャリアオイルが用いられ、同じように”オイル”がついていますが役割はそれぞれ違います。
精油(エッセンシャルオイル)とは?
精油(エッセンシャルオイル)とは、植物の葉や樹脂、樹皮、根、花、果皮、種子などから抽出した、100%天然素材の液体のことで、高濃度の有効成分を含み、空気中に蒸発する揮発性のある香りの成分の集合体を指します。
1回の使用量が多いほど、人体に効果をもたらしますが、量が過ぎるとかえって悪影響になるので、ごく微量にとどめるか、適度な濃度に希釈しましょう。
また、スキンケアやボディケアに使うオイルを選ぶときは、必ず「精油」または「エッセンシャルオイル」と書かれたものを選びましょう。
精油やエッセンシャルオイルとは、100%天然のものを表しますが、それ以外の精油とかエッセンシャルオイルと表記されていないオイルを選ぶと、界面活性剤やエタノールが混ざっている可能性があり、肌につけると肌荒れを起こす可能性があります。
キャリアオイルとは?
精油と同様、天然の植物から採油され、ビタミンがミネラルを豊富に含んでいます。
キャリアオイルの“キャリア”とは、「精油の成分を体内に運ぶ」という意味で、その名の通り精油を運ぶ役割を持っていますが、もう1つ精油となじみやすく、それぞれの特徴・成分が相互作用によってより効果を増すというメリットもあります。
食用にも用いられている、オリーブオイル、グレープシードオイル、カメリアオイル(椿油)などもキャリアオイルの1つです。
ただ、食用とアロマテラピー用は精製の度合いが違うため、食用で売られているものをそのままアロマテラピーのは避けましょう。
また、植物成分だから安心!というわけではありません。植物が自分の身を守るために作り出した成分が必ずしも人間にとっても良いとは限らないので、人によっては植物成分によるアレルギーを起こす危険性もあります。初めて使用する際には必ずパッチテストを行うことをおすすめします。
美白、抗炎症効果があるアロマオイル
アロマテラビーに使用される精油(エッセンシャルオイル)が美白に効果があるといっても、例えばハイドロキノンやアルブチン(ハイドロキノン誘導体)のようにできたシミに直接的に働きかけてシミを消したり薄くする効果があるわけではありません。
直接的ではなく間接的にシミを予防したり、シミを排出させるのを助けると言った方がぴったりです。
また、キャリアオイルの中にも美白効果が期待できるものがありますので、自分のコンディションやお好みで試してみたいですね。美白効果、抗炎症効果が期待できる主なアロマオイルにはこのようなものがあります。
【美白や抗炎症効果が期待できる精油】 ゼラニウム、ネロリ、フランキンセンス、ラベンダー、レモン、ローズオットー、ローズマリー、キャロットシード、パルマローザ【美白や抗炎症効果が期待できるキャリアオイル】 スイートアーモンドオイル、ユズシードオイル |
日焼け肌に効く!美白アロマ
ここぞ!というときのスペシャルケアテクニック
「アウトドアイベントで、ずっと屋外にいた。」、「忙しくて、日焼け止めを塗り直せなかった」・・・。
そんな、うっかり日焼けや大失敗のひどい日焼けをした時に使えるスペシャルアロマケアを紹介します。紫外線ダメージを受けた肌を、素早くクールダウンしてくれるスグレモノです。
【美白と保湿効果に優れたスイートアーモンドオイル】
精油ではなくキャリアオイルであるスイートアーモンドオイルは、浸透力もあり保湿効果、美白効果に優れたオイルといわれていますが、アロマサイエンス研究所が行った2つの実験において以下のような結果が出ています。
・スイートアーモンドオイルの人の肌における実験で、4週間毎日肌に塗った後、塗るのをやめてもその後2週間もメラニンを抑制する効果があった
・メラニン生成の過程で必要となるチロシンという酵素の活性が、スイートアーモンドオイルを加えた場合は抑制された
この実験からもスイートアーモンドオイルには美白効果が期待できると実証されています。
引用:アロマサイエンス研究所
スイートアーモンドオイルは、顔のケアには保湿クリームとしてスキンケアの際にそのまま使ってもいいですが刺激が強すぎる場合もあるので、手持ちのクリームや化粧水に1滴混ぜて使うと保湿力がアップするだけでなく、使い続けていると美白効果も期待できます。
また、スイートアーモンドオイルは炎症を抑え美白効果も期待できることから、顔だけでなく日焼けした後のボディケアにも適しています。そのまま使ってもいいし、お好みの精油を混ぜてボディーオイルとして、さっぱり使いたいなら、クリームやローションと混ぜて使うのもおすすめです。
スイートアーモンドオイルは無印良品などでもお手頃に購入できるし、手元に1本置いておくと美白だけでなく、乾燥する季節の保湿対策に便利です。
もっとさっぱりしたオイルが好き!という方には、スイートアーモンドオイル以外のオイルを使ったケアもありますのでいくつか紹介します。
【アロマトリートメント】
炎症を抑え、肌の再生力を高める精油と、肌ダメージの回復力を高めるオイルを組み合わせた、スペシャルトリートメントです。肌に優しいオイルなので、日焼け肌にも安心です。
<材料>
ネロリ精油 : 1滴
フランキンセンス精油 : 1滴
ラベンダー精油 : 1滴
カレンデュラ〈キャリアオイル〉 : 15ml
ローズヒップ〈キャリアオイル〉 : 10ml
小麦胚芽〈キャリアオイル〉 : 5ml
<作り方&使い方>
3種のオイルに精油を混ぜ、両手でなじませ、日焼けした部分にこすらないよう優しく滑らせる。
【アロマバス】
特に、顔を重点に日焼けケアをしたいときに、バスルームで行います。直接肌に触れない方法なので、顔の日焼けにも安心。
<材料>
カモミール精油 : 1滴
ローマン精油 : 1滴
ゼラニウム精油 : 1滴
<使い方>
洗面器の半分まで熱湯を入れ、精油を落としてから、頭からバスタオルなどをかぶり、目を閉じて5~10分ほど顔に蒸気をあてます。
日焼け肌に効く おすすめアロマ精油
その他にも、日焼け肌に効果のあるアロマ精油には、カモミール・ジャーマン、フランキンセンス、カモミール・ローマン、ペパーミント、ゼラニウム、ラベンダー、ティートリー、ローズオットー、ネロリなどがあります。
自分の好みや自分の体調、気分に応じて使い分けても楽しいですね。
また、これらの日焼け肌に効く精油(エッセンシャルオイル)は、アロマタオルやアロマ手浴にも利用できるので、この中から好きなものを選んで試されるといいと思います。
もっと手軽に!美白アロマテクニック
トリートメント、バスエッセンスよりもっと手軽にアロマで日焼けケアをしたいときに、試したいのが「アロマタオル」と「アロマ手浴」です。美白に効果が期待できる上記の精油(エッセンシャルオイル)の中から自分の好きなものを選んでみてください。
【アロマタオル】
洗面器などにお湯または水を入れ、精油を1~2滴落としてタオルを浸したら、よくしぼって日焼け部分にあてる。
* 注意点 *
日焼けしたばかりの肌は炎症が起こっている状態です。日焼けによる肌のほてりが強い場合は刺激を避けるために控え、ほてりが落ち着いてから試しましょう。また、肌に直接触れるので、なるべく肌刺激が少ない精油を選び日焼けがひどい部分は避ける方が無難です。
【アロマ手浴】
洗面器にお湯を入れ、精油を2~3滴たらして手だけお湯につけます。この時、手や指をマッサージするとさらに効果アップが期待できます。
手は使う機会が多いので手の甲はガードが緩くなりがちで日焼けしやすい部分なので、手軽なアロマ手浴は手の甲の日焼けにぴったりのケアです。
* 注意点 *
アロマタオルと同様、直接肌に触れるアロマケアなので、手の甲への刺激を考慮して、激の強い精油を避けること、ほてりがある場合や日焼け程度が強い場合はやらない方が無難です。
気をつけたいアロマの光毒性
植物の中には、光毒性のある精油(エッセンシャルオイル)があります。光毒性とは、精油を肌に塗った状態で強い紫外線を浴びると肌に炎症を起こすことを言います。
外出前に光毒性の精油(エッセンシャルオイル)を使い、皮膚に付着したままになっていると、肌荒れや炎症を起こし、かえって色素沈着や日焼けを起こす場合もあるので、光毒性がある精油は使用後12時間くらいは外出しない時を選んで使うようにしましょう。
光毒性がある精油(エッセンシャルオイル)は柑橘系の精油に多い ベルガモット、レモン、グレープフルーツ、ユズなど |
【まとめ】
ここまで紹介したアロマを使った美白ケアは、薬や化粧品を使わない美白ケアの方法です。肌に低刺激で美白ケア意外にも心身のリラックス効果などが期待できるので、ストレスを抱えることが多い現代の女性たちにとても人気です。
が、アロマの美白ケアですべての紫外線ダメージがリセットされるわけではありませんので、日々の薬や化粧品、日傘、UV効果のある衣類などを使ったUVケアは引き続ききちんと行うようにして、肌老化の歩みを少しでも緩やかにすることが美肌・アンチエイジングにとってとても重要です。