美肌に欠かせない皮膚のコラーゲンは、20歳を過ぎると紫外線などの影響で年に約1%ずつ減るので、50代になると20代の半分に減少すると言われています。
ハリと弾力のある美肌を維持するためには、体内のコラーゲン量が減らないようにタンパク質やコラーゲンが多い食べ物から補給しなければなりません。
この記事では、体内でコラーゲンが再合成されるため必要な栄養を含み価格もリーズナブルな鶏手羽肉、豚こま切れ肉、鮭、さらにコラーゲンペプチドドリンクを例におすすめの食べ方や注意点を紹介します。
体内でコラーゲンが効率的に増やせれば、食べておいしくしかも太らずに体の中からプルプルの美肌とアンチエイジングを実現でき、しかも化粧品代も減らせてお財布にも優しい、そして知らない間に-5歳の素肌美人になれればいいことづくめです。
コラーゲンを食べ物で効率的に増やして美肌になるポイント
減少する皮膚のコラーゲンを食べ物補給で食い止めよう
体でコラーゲンが最も多く集まるのは皮膚です。例えば、体重50kgの人の皮膚には1.2kgのコラーゲンが存在し、同時に体全体では3kgのコラーゲンが存在しています。
このようにコラーゲンは美肌のためだけでなく体全体の健康やアンチエイジングにも欠かせない成分なのですが、紫外線や加齢によって体内のコラーゲンは徐々に減少し、50代では20代の半分ほどになってしまいます。
若々しい体、美肌のためには毎日タンパク質やコラーゲンをしっかりと摂らなければなりません。
皮膚のコラーゲンが十分であれば、コラーゲンが紫外線によるダメージを受けてもしわやたるみに負けないハリ・弾力に富む美肌を長くキープでき、高価な化粧品を使うよりもずっと確実な美肌効果が期待できます。
引用:MISSION:体内コラーゲンを探査せよ | 資生堂
コラーゲン合成に必要な栄養素を常に保っておこう
私たちがコラーゲンを食べると、体内で一度分解された後、再びコラーゲンに合成されて、皮膚、骨や血管など体中のあらゆる部位で強さやしなやかさ、柔軟性を作り出しています。
そのコラーゲン再合成の過程で必ず必要となるのが、必須アミノ酸のリシンとビタミンC、鉄です。
よって、コラーゲンが多い食べ物を選ぶ際には、同時に必須アミノ酸リシンや鉄も含む食べ物を選び、さらにビタミンCが豊富なレモン、キウイ、みかん、イチゴ、ピーマン、トマト、ブロッコリー、キャベツ、大根などを一緒に食べるようにすると、体内でのコラーゲンの再合成がスムーズに進んで効果的です。
コラーゲン合成を邪魔する糖分は避けよう
逆に避けるべきは糖質です。糖質を摂りすぎるとコラーゲンと反応して老化を加速させる糖化が起こり、肌のしわやたるみを増加させます。くれぐれも甘い物や炭水化物は食べ過ぎないようにしましょう。
太らずにコラーゲンだけを摂取できる調理法を選ぼう
動物の肉では鶏の皮、豚の脂身といった脂肪分の中にコラーゲンが多く含まれ、魚類ではフカヒレやウナギ、鮭など、皮や皮と身の間に多く含まれます。またコラーゲンが多い食べ物は、プルプルした触感のものが多いです。
コラーゲンが多いからといって動物の肉からコラーゲンを摂るときは、高カロリーの脂分を摂りすぎると太ったり健康的にも良くないので注意が必要です。
そのために、蒸す、茹でる、しっかり焼くといった調理法で余分な脂分を落としたり、おいしいラーメンのスープを全部飲まずに浮かんでいる脂は我慢すると、カロリーも抑えられてコラーゲンを摂ることができます。
また魚類は皮ごと食べるようにすることはもちろんですが、実はうろこにもコラーゲンがあるので、なるべく油を使わずにカリカリに焼くなどしてうろこも食べると、より多くのコラーゲンが摂取できます。
おすすめのコラーゲン豊富な食べ物を賢い調理法で摂る
コラーゲンを多く含むのは以下のような食べ物が挙げられます。
引用:NIKKEI STYLE
牛すじや、鶏ヤゲン軟骨、鶏ガラスープ、鶏砂肝、ハモ、ウナギのかば焼き等々にコラーゲンが多く含まれるのですが、毎日の食事に気軽に取り入れるにはちょっと調理が難しそうなものや価格が高いものが多くて難しいです。
ここでは1年を通じて比較的お手軽に手に入り、価格も手ごろなもの、かつ、体内でコラーゲンが合成されやすくなる栄養素を含んだものを選びました。
鶏手羽肉でコラーゲンを摂る
鶏手羽肉のメリット
鶏肉は肉類の中ではタンパク質が多いのにカロリーが低く価格もお手ごろなので、美容や健康を気遣う人に定番の人気の食べ物です。
鶏肉では、コラーゲンは皮、軟骨や骨に多く含まれるので、コラーゲンを摂るなら鶏手羽肉がおすすめです。
鶏手羽肉にはコラーゲン以外にも体内で作れない必須アミノ酸も多く含みコラーゲン合成に役立ちます。
また、鶏手羽肉に多いビタミンAは、皮膚の繊維芽細胞が分裂してコラーゲンが作られる時に欠かせない栄養素でこれも美肌には不可欠です。
鶏手羽肉は脂分を除いて摂る
鶏の皮には脂分も多い上に、独特の臭いが苦手という人も多いので、調理方法を工夫してコラーゲンだけをしっかり摂れるようにしたいです。
鶏手羽肉からコラーゲンを摂るときは、調理の際に脂分を取り除くのがポイントです。
① 炒める時は油をひいて余分な脂分を溶かし出し、ペーパーで取り除くと皮がパリッとする
② 茹でたり煮たりする時は、沸騰して表面に浮いてきた脂をすくって取り除く
③ コラーゲンは水で調理すると溶け出すのでスープも一緒に飲むと良い
鶏の骨、軟骨を煮込んだラーメンなどのスープにもコラーゲンは豊富です。表面に浮いた脂分を摂りすぎないようすれば低カロリーになり、油でビタミンAが吸収されやすくなるので一挙両得です。
豚こま切れ肉でコラーゲンを摂る
豚こま切れ肉のメリット
豚肉といえば、コラーゲンはもちろん、体内で作れない必須アミノ酸もバランス豊富に含み、さらにビタミンB群や鉄などのミネラルも豊富な優れた肉食品です。
体内でコラーゲンが合成されるときには、鉄分も必要です。特に女性は鉄分が不足しやすいので、吸収されやすい動物性食品の豚肉から鉄(ヘム鉄)を補給するのがとても重要になります。
豚こま切れ肉は価格も安いので、毎日の食事に気軽に利用しやすい点もメリットです。
豚こま切れ肉は脂を落とし低カロリーで摂る
豚こま切れ肉は、いろいろな部位の肉の切れ端が集められていることが多く、赤身肉と比べると脂分も多めで高カロリーなので、摂りすぎると太ったり健康を害するので注意が必要です。
豚こま切れ肉からコラーゲンを摂るときは、調理の際に脂分を取り除くようにしましょう。
① 炒める時は油をひいて余分な脂分を溶かし出す
② 茹でたり煮たりする時は、沸騰して表面に浮いてきた脂をすくって取り除く
③ コラーゲンは水で調理すると溶け出すのでスープも一緒に飲むと良い
鮭でコラーゲンを摂る
鮭のメリット
鮭は、魚類の中でフカヒレ、ウナギ、ハモに続いてコラーゲンが多い食べ物で、コラーゲンの他に必須アミノ酸のリシンも多く、体内でコラーゲンが合成されるときに役立ちます。
また、抗酸化作用がビタミンEの550~1000倍もあるアスタキサンチン(天然の赤い色素でカロチノイドの一種)も多く含まれており、全身の血行を良くし肌はもちろん頭皮や毛根にも良いと言われています。
さらに鮭には、美肌や健康にとって重要な睡眠を促すセロトニンというホルモンの原料となるトリプトファンと、その吸収を助けるビタミンB6も含まれているので、体が温まる鮭のスープや鍋料理を食べるとよく眠れて美肌に役立つと言われています。
鮭は皮ごと摂ろう
鮭のコラーゲンは、皮や皮と身の間に多く含まれるので皮ごと食べるのがおすすめです。
しかし、鮭の皮は臭みがあるので苦手だという人もいるでしょう。そんな時は、皮を焼けば臭みが消えるので下ごしらえで皮部分をパリッと焼いておくと良いです。
鮭は鍋に、おにぎりやお弁当にと、いろんな場面で利用しやすい食べ物です。コラーゲンを摂るためにはなるべく皮ごと食べるようにしましょう。
ゼラチンでコラーゲンを摂る
ゼラチンのメリット
ゼラチンは、牛骨、牛皮、豚皮や魚のうろこなどのコラーゲンを水の中で加熱して抽出したもので、糖分・脂肪分がほぼゼロで低カロリー、低コレステロールの高タンパク質食品です。
コラーゲンは水に溶けないのですがゼラチンは水に溶けて冷えると固まるので、料理やお菓子、薬のカプセル、化粧品など幅広く利用されています。
ゼラチンは、体内でコラーゲンが合成されるときに必要なアミノ酸 グリシンとプロリンが含まれているので、料理やお菓子に粉状のゼラチンを使えば簡単にコラーゲンが摂れてとても便利です。
ゼラチンのデメリット
ゼラチンは動物性のタンパク質で、アレルギーがある人は、家庭だけでなく市販されているお菓子などにも多くが使用されているので注意が必要です。
また、ゼラチンに含まれないアミノ酸もあるので、ゼラチンばかりに頼りすぎて他のタンパク質を含む食べ物も摂らないとアミノ酸のバランスが崩れるので気をつけましょう。
コラーゲンペプチドでコラーゲンを摂る
コラーゲンペプチドのメリット
今まで、サプリメントでコラーゲンを飲んでも一度分解されるため、皮膚のコラーゲンが増えるわけではないと言われていました。
それが日本で初めて、機能性表示食品として日本で初めて「肌の潤いを保つ」機能性を有するコラーゲンを配合したコラーゲンドリンクが登場して話題になっています。
コラーゲンを分子量が1000以下になるまで小さくした魚由来の低分子コラーゲンペプチドが配合されていて、皮膚の繊維芽細胞の増加、ヒアルロン酸を生産促進、皮膚のコラーゲンも増加するそうです。
低カロリーで美肌に必要な成分だけで作られているので、太る心配もなく料理の手間も省け美肌ににはとても効率的で便利です。
一般的に日本人は約2g/日のコラーゲンを食事から摂っていると言われています。
が、多くの研究者や医師によると、美容への効果が期待できるコラーゲンの量は5~10g/日で、そのためには毎日コラーゲンが豊富な食べ物を250g~500g摂る必要があり、それはなかなか現実的には難しいです。
よって、もし肌の乾燥や肌老化が気になってきたら、コラーゲンペプチドを一度利用してみるのもいいかもしれません。
コラーゲンペプチドのデメリット
美肌に効果があるとはいうものの月に約\6,000ほどかかるので、「すごく安い!」とは言えません。
しかし、美容外科に行かなくても自宅で美肌を目指す選択肢があるのは嬉しいですし、今後、他のメーカーが同じような製品を次々と開発すればもう少し価格が低くなることも期待できます。
とはいえ、サプリメントはあくまで補助的な利用であることを肝に命じましょう。
毎日の食事の中でまんべんなくコラーゲンやタンパク質、その他の栄養やミネラルを摂らなければ、健康な体、美肌を維持することはできないのです。
まとめ
私たちの体の約20%を占めるタンパク質のうち30~40%がコラーゲンでできています。内臓、血管、皮膚、骨・軟骨、じん帯・腱などのあらゆる組織を構成する繊維状のたんぱく質がコラーゲンです。
加齢や紫外線によってどんどん減っていくコラーゲンを補うためには、良質のタンパク質やコラーゲンを摂るだけでなく、体内で効率的に合成されるような摂り方が重要です。
美肌になる近道は、自分らしい人生を楽しみながら生きるための体作りでもあるのでおろそかにできないですね。