一生懸命に肌の手入れをしているにもかかわらず、しみやニキビ跡が消えにくくなり、くすみが増え、肌の弾力が減ってきた原因は、免疫細胞の減少かもしれません。
免疫細胞と美肌とは一見結びつかないようですが、実は免疫細胞は、傷ついた肌細胞の修復から老廃物の処理、美肌を作る細胞の活性化まで、体中を常に健康に保つための働きをしています。
想像してみてください。
免疫細胞が働かず「美肌はおろか身体の健康を1日も維持することができなくなった自分を。」
免疫ビタミンLPS、リポポリサッカライドとは
免疫ビタミンと呼ばれている LPS(リポポリサッカライド)とは、いったい何でしょうか?
免疫ビタミンLSPは、自然免疫の中心的役割を果たすマクロファージを活性化させる成分です。微生物の一部小さくて肉眼では見えませんが、自然界に存在しています。
参考:新横浜かとうクリニック
この成分は、グラム陰性細菌の細胞壁に埋め込まれたように付着しています。そして、糖と脂質が結びついた糖脂質をLPS、またはリポ多糖とよんでいます。そして、その細菌が死ねばLPSは空気中に浮遊するといわれています。
現在、自然免疫とLPSの研究は急速に進められ、医療の分野では免疫治療等で大きな成果を上げているそうです。
体全体のアンチエイジングにさまざまな効果をもたらす免疫ビタミンLPSの効果
世界の研究結果では、以下のようなメリットが生じると報告されています。
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- 身体全体の免疫力がアップできるので病気に感染しにくくなり、傷も治りやすくなる
- 体内の老廃物の処理が進むので体調不良が整い、新陳代謝もアップするので疲れが溜まりにくくなる
- 肌荒れしにくくシミやくすみも残らない、ヒアルロン酸やコラーゲンが増えてハリ・弾力アップで若々しい美肌が期待される
漢方薬にはLPSが大量に含まれているので、自然免疫が活発になり病気治癒に目覚ましい効果を発揮できる一因ではないかと考えられています。
このような研究結果から、LPSは体全体のアンチエイジングにさまざまな効果が期待される成分なのです。
本試験は、個人の主観によるものであり、プラセボに対する調査がないことから、より客観的な評価試験を行う必要がありますが、2週間にわたる使用期間で87%の回答率であったこと、重篤な有害事象が見られなかった点から、外用でのアトピー性皮膚炎改善に期待が持たれます。
参考:自然免疫応用技研
免疫ビタミンLPSの働き
免疫細胞マクロファージを活性化させるビタミン剤のようなLPSは、健康だけでなく美肌効果やアンチエイジング効果も期待されると注目されています。
以下の画像は、マクロファージの細胞を拡大して掲載しています。
免疫細胞と美肌がいかに深く関係しているかは、マクロファージの役割を知れば理解できるはずです。
免疫細胞マクロファージの働き
マクロファージは自然免疫の中心的存在で、他の免疫細胞にはない多くの役割を果たしています。
皮膚のマクロファージ ランゲルハンス細胞の働き
皮膚は4層からなる表皮の強固な防御壁とNMF(ナチュラルモイスチャーファクター)等の優れた天然の保湿剤を作り出して、紫外線や気温の変化、異物や細菌の悪影響から肌を守るバリア機能を持っています。
そんな表皮を突破した侵入者を真皮で見張っているのが免疫細胞マクロファージで、皮膚ではランゲルハンス細胞と呼ばれています。
ランゲルハンス細胞もマクロファ―ジとしての働きで肌全体の免疫機能を果たす他、美肌に欠かせないヒアルロン酸やコラーゲンの元になる繊維芽細胞の合成も助けます。
自然免疫の司令塔
マクロファージは肺、肝臓、脾臓に多く、その他血液、骨髄、皮膚、脳、リンパ節、腸、結合組織・・・と体内のあらゆる場所にいて、異物や細菌、ウイルスが体内に入ってくるとすぐに駆けつけアメーバ状に手を伸ばし丸ごと食べて消化する食作用(貪食)でやっつけます。
そして、その敵の情報を仲間の免疫細胞に知らせ(抗原提示)、司令塔として連係プレーを命じる免疫機能のコントロールも行っています。
傷ついた箇所の修復
さらにマクロファージは、身体の内外にできた傷や神経の修復も行います。体が傷を受けると、マクロファージが破損された細胞を食作用(貪食)によって処理します。
さらに仲間にシグナルを送り感染を防ぐとともに傷ついた箇所の修復にかかりますが、断裂した血管を新生するように命令を出すのもマクロファージの役目もします。
またマクロファージの出すシグナルによって、コラーゲンやヒアルロン酸の元になる繊維芽細胞がやってきて、コラーゲンを作ることによって傷の部分がしっかりと支えられ新しい血管から栄養が供給されて傷の修復が進むのです。
体のあらゆるものをキレイに処理する掃除屋
マクロファージは、侵入してきたほこりやカビ、PM2.5等の異物や病原菌だけでなく、体の中にできた老廃物、自分自身や他の死んだ細胞といった健康を害する元になるあらゆるものをきれいに処理してくれます。
このように、マクロファージのこういった働きが鈍くなれば、たちまち身体の抵抗力は減退し病気に感染しやすくなり回復しにくくなりますので、私たちは免疫機能が無ければ、1日も健康を維持することはできません。
免疫ビタミンLPSの効果
LPSによって、身体の健康維持のみならず美肌にも欠かすことのできない免疫細胞マクロファージが活性化できれば、ストレスや加齢によってだんだんパワーが低下するマクロファージを元気に回復させることができます。
マクロファージの活性化による体への効果
マクロファージが活性化し、若い頃のような疲れにくく病気に感染しにくい体に改善できたら嬉しいですね。
身体全体の調子が整い、徹夜しても疲れが溜まらず、怪我や病気が早く治り傷跡も早く消える・・・それらはすべてマクロファージの数が増え活発に働いていればこそです。
マクロファージは自然免疫であらゆる活動を行うのでマクロファージの活性化は体全体に及ぼす影響はそれだけ大きなものになります。
細菌、ウイルスへの対処
司令塔のマクロファージが活性化すると、他の免疫細胞全体も活性化するので免疫力全体が上がり、さまざまな感染症の予防効果が大きく期待できます。
自分も歳をとったなぁと実感するのは「風邪をひくとなかなか治らない」、「怪我をすると治りが遅く傷跡が消えない」といったときではないでしょうか?あるデータによると、若い頃と傷を負ったときに集まってくるマクロファージの数に大きな差があるようです。
若い頃は傷を負ってから7日目でマクロファージはピークに達するのに対し、高齢者になると84日もかかるとか。この10倍以上の数値の差がそのまま免疫力の差となり体調の回復力にも影響すると考えられます。
現在すでに医療面では免疫機能が難病治療法に利用されて大きな成果を上げていますが、今後、免疫細胞の研究が進むにつれて増々その活躍範囲は広がりそうです。
傷や神経の修復
傷を修復するうえでのマクロファージの役割はリーダー的で全体への影響は計り知れません。ゆえにマクロファージが活性化され、若い人のようにマクロファージの数や働きが整えられれば、傷修復が迅速に行われ傷跡も早く消えます。
また、マクロファージには鈍痛を軽減させる効果も報告されているので、怪我や病気による痛みを緩和してくれることも期待されます。このように怪我だけでなく病気で傷ついた組織の修復、痛みの軽減にもマクロファージは効果を発揮します。
さらに、マクロファージは傷の修復以外に神経系の修復にも重要な役割を果たすことがわかってきました。今後、神経が切断された際、手術後に後遺症が残る問題点の解決策としてもマクロファージの有効利用が期待されます。
体の不要物の処理
呼吸によって大気中の汚染物質やカビ、ほこり、PM2.5、細菌やウイルスも吸い込ま混ざるを得ない私たちの体は常に危険にさらされています。
マクロファージが常に体の中をきれいに掃除して有害物質を食べて処理してくれなければ、体はすぐに無防備状態で危険の中に放り出されてしまうのです。大食細胞マクロファージが活性化され大食い効果が長く続けば、体内の掃除の能率がよくなっていきます。
有害なものや病原菌に侵された細胞、不要な老廃物がどんどん排除されて血液や体液がきれいに保たれ、体全体の正常な状態を保つことができます。新陳代謝も活発になり新しい細胞がどんどん生まれ古い細胞と入れ替われば、若くて疲れにくい健康な体を維持できます。
ゴミだらけの部屋では仕事の能率が悪くなるだけでなく健康や精神にも悪影響を及ぼすのと同じように、体内が常にきれいに掃除されていることは健康面やアンチエイジングの点でとても重要です。
肌トラブルへの効果も期待できるLPS(リポポリサッカライド)
たとえば、身近な悩みの皮膚のトラブルに当てはめてみれば、単に保湿だけを行うスキンケアとは異なり、細胞レベルで美肌へと導く効果が期待できそうです。
- 表皮の角化細胞の活性化
ターンオーバーを整えてシミやくすみを作らない
- ランゲルハンス細胞の活性化
外敵に対して素早く対応できるので肌荒れが起こりにくくまた修復も早い
- 他の免疫細胞の活性化
免疫力全体がアップし肌荒れしにくくなる
- 繊維芽細胞の合成を促す
ヒアルロン酸やコラーゲンの元になる繊維芽細胞を増やし肌のアンチエイジングが期待できる
まとめ
私たちの生命と健康維持に1日も欠かすことのできない免疫機能LPSは、美肌作りにも重要であると分かりました。
免疫力の衰えは、日々のストレスや加齢の他に、睡眠不足、激しい運動、野菜不足やタンパク質不足でも起こります。免疫力を低下させないためには、まず生活を見直すことも大事です。
免疫機能の衰えによる体調不良や老化現象に役立つ免疫ビタミンLPSは、野菜や果物、海藻、漢方薬からも摂取できるので、お手軽なところから取り入れてみてはいかがでしょうか。