シミ・くすみのケアはそれぞれの原因の違いで異なりますが、全部に共通するのはターンオーバーの正常化と正しいスキンケアです。そして、それは他の肌の悩みや美肌になるためにも欠かせない最重要ポイントです。
毎日のUVケアにこの2つのケアをコツコツと積み上げるだけで、エイジングケアができ美肌に維持できます。逆に言えば、毎日間違ったスキンケアが肌老化を加速させているかもしれません。
シミ・くすみに関して、後悔しない肌つくりのための毎日のスキンケアについて紹介します。
シミ・くすみ全部におすすめの対処法
シミ・くすみは、紫外線以外にもそれぞれ異なった原因もあるのでそれぞれに合った対策が必要です。しかし、すべてのシミ・くすみ対策に共通する対処法は、ターンオーバーの乱れを整えること、正しいスキンケアです。
ターンオーバーを整える
1.ターンオーバーの乱れで肌老化
シミ・くすみの原因はいろいろありますが、紫外線、間違ったスキンケアや血行不良などが原因となり、肌が新しい細胞に入れ替われなくなり古い細胞が残り続けて、黒くくすんだ肌=シミ・くすみが起こっています。
肌の細胞が新しく入れ替わることをターンオーバーと言います。実は、このターンオーバーが遅くなり乱れると、シミ・くすみだけではなく、肌全体にとって老化の大きな要因になり、シミ、くすみ以外にもシワ、たるみ・・・といった老化現象を引き起こします。
そのため、ターンオーバーを整えることは、美肌、アンチエイジングのためには紫外線対策と同じように重要なポイントです。
2.ターンオーバーの仕組み
では、ターンオーバーはどのようなものでしょうか?
皮膚の細胞は外部に接しているために、体内にある他の身体の細胞とは異なる入れ替わり方をします。
皮膚の基底層で生まれた新しい角質細胞=ケラチノサイトは分化しながら上へ上へと送り出され、2週間で角質層までやってきて、角質層で2週間とどまって最後のお役目を果たした後、垢となって自然に剥がれ落ちます。
※細胞が分裂増殖する過程で、自分と同じものを作り出すのに対し、 分化とは、細胞が分裂し成長する過程で形や機能が複雑に変化しながら進む現象を表します。
この28日間かけて細胞が古い細胞から新しい細胞へと常に入れ替わる仕組みをターンオーバーと呼んでいます。
基底層で生まれた角化細胞(ケラチノサイト)は、分化しながら角質層まで進み角質細胞になります。この角化と呼ばれる基底層から角質層までの生物学的な変化は、角質層を作るためのものです。
身体を守る砦であり複雑で堅牢なバリア機能となる角質層を作る細胞である角質細胞が、約1ヶ月をかけて高度な化学変化によって作られているとは、本当に人間の体の不思議と尊さを感じさせられます。
このターンオーバーが加齢によって遅くなるのが問題であるのと同じように、この28日という期間が短くなりすぎても良くありません。未熟な角化細胞が肌の疾患を起こしたり、保湿機能が低くなって乾燥、肌荒れの原因になります。
しかし、ケガをした場合などは別です。まだまだ明確には解明されていないようですが、皮膚を早く再生しようと通常とは別の変化が起こり、基底層における細胞分裂の速度を速めて皮膚の修復を行います。その速度の調整がどのように行われているかはまだ解明されていないようですが、上皮成長因子(EGF)などのタンパク質が関わっていると言われています。
さて、このターンオーバーは20代では28日ですが、加齢によって徐々に時間が長くなります。なかなか傷が治りにくくなるのは、このせいです。(ターンオーバーの28日という期間は身体の部位によっても異なります。)
もし、紫外線や肌への刺激によってメラニンが作られ細胞に分泌されたとしても、ターンオーバーによってどんどん新しい細胞が生まれ、古い細胞は上へ上へと送り出され約28日で垢(アカ)となって剥がれ落ちるのでシミはできない仕組みです。
しかし、何らかの原因でターンオーバーが正常に働かないと28日より遅くなります。その間メラニンを含む細胞が居座れば肌はくすみ、また、メラニンが作られる速度より遅くなれば、メラニンを含む細胞はどんどんたまるのでシミやくすみができやすくなります。
自分の年齢でターンオーバーにどれくらいの日数がかかるかを割り出す目安は、「年齢+10日」とか「年齢×1.5日」と言われています。
これに従えば、例えば、40歳ではターンオーバーは約50〜60日。これは40代のターンオーバーが20代の約2倍かかること、2倍遅くなったことを意味します。
ケガが治りにくい、シミが消えにくい、くすみが消えにくい、吹き出物の跡が消えにくい-というのも、ターンオーバーが長くなり皮膚の入れ替わりに時間がかかるためなんですね。
3.ターンオーバーを乱す原因
加齢により健康な人でもターンオーバーが徐々に遅くなるのは人間の宿命である老化現象なので、いつまでも20代の時のように28日にキープするなどということは魔法でもない限り不可能です。
しかし、年齢に応じた正常なターンオーバーになるように、スキンケアなどを利用して整えることは可能です。こういったターンオーバーを整えるエイジングケアこそが、すべての肌の悩み解決に通じ美肌になるためのケアなのです。
ターンオーバーが遅れる原因は次のようなものが考えられます。
ターンオーバーが正常に行われない原因
- 加齢
- 外気の乾燥
- 身体の冷え
- 紫外線によるダメージ
- 間違ったスキンケア
- 生活習慣の乱れ
- 過剰なストレス
- ホルモンバランスの乱れ
これらの原因を次のような方法で改善しターンオーバーを整えます。
【ターンオーバーを整えるために必要なこと】
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具体的に紹介していきます。
ターンオーバーが改善できる方法
1.正しいスキンケアのやり方
正しいスキンケアのポイントは、汚れだけをしっかり落とし、必要な皮脂は残して、保湿効果が長く続くスキンケア製品を使うことで、水分量が多くキメが整った肌が作られます。また、肌に充分な潤いがあるとターンオーバーを整える手助けになります。
① クレンジング
クレンジングで大事なことは、メイク汚れだけを残さずにしっかり取ることと、必要な皮脂は残し、角質層にダメージを与えるような強い成分のクレンジング剤は使わないことです。
ポイントは界面活性剤です。界面活性剤は、化粧品では乳化剤、洗浄剤、保湿剤と表記されています。
界面活性剤の働きには、水と油を混ぜる、洗浄効果があります。化粧品には必ず水性成分と油性成分が使用されているので、界面活性剤は必ず使用するように義務付けられています。
界面活性剤によく使われるのが、安くて洗浄効果が高い石油系界面活性剤です。安価なクレンジング剤にはこのタイプの界面活性剤が使用され、簡単にすばやくメイク汚れを落としてくれるものが多いです。
石油系界面活性剤とは 石油系界面活性剤は、元々は石油から作られていましたが、現在はさすがに石油ではなくアミノ酸、タンパク質、油脂、糖質、コラーゲンなどの天然成分からも合成されて作られています。この場合も、化学式が石油系と同じなら石油系界面活性剤です。石油系界面活性剤は、安くて洗浄効果が高い反面、水で洗い流した後も皮膚に残って肌から浸透して肌を乾燥させたり肌荒れを起こす経皮毒が不安視されています。最近、若い人に若ハゲや薄毛が増えたのも、シャンプーに使用されている石油系界面活性剤が原因ではないかという声も多いです。 |
よって、ウォータープルーフ系を使ったメイクや紫外線予防効果の高いUVケア製品を使ったときは、強い洗浄力が必要ですが、そうでない場合のナチュラル系メイクやUVケアのクレンジングには、強い石油系界面活性剤が多く含まれたクレンジング剤は使わないようにすることがおすすめです。
シミ・くすみを初めとした美肌ケアで最大の注意ポイントの1つがこのクレンジング。いかに肌に優しい成分で肌へのダメージを減らせるかが将来のシミ・くすみを作らないためにも重要です。
【クレンジングの注意点】
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例えば、ネットでも人気の定番クレンジングのAttenir スキンクリア クレンズ オイル¥1,870(税込み)は、シミ・くすみの中でも肌ステインに効果がある成分ロックローズオイル配合のクレンジング。
メイク汚れがよく落ちるのに肌に優しく、使い続けていたらある日、ファンデーションを明るめに変えたくなりました。
4種類の美容成分なので使用後にツッパリ感がなくて、W洗顔不要なのも肌への負担が無くて助かっています。
② 正しい洗顔方法
クレンジングと並んで、スキンケアでシミ・くすみケア、ひいては美肌ケアに重要なのが洗顔です。
なぜなら、シミ・くすみと美肌には、、肌の汚れや古い皮脂を残さずにしっかり取り除くことが不可欠である一方で、肌を傷めるリスクが最も高いのがクレンジングと洗顔だからです。
やみくもにゴシゴシ洗ってジャブジャブ洗い流せばいいというものではありません。肌を守るバリア機能となる皮脂、バリア機能と潤いに欠かせない角質層の天然保湿成分(NMF)を残しつつ、不要なものだけをしっかり取り除くのが正しいクレンジングと洗顔です。
では、どのような洗顔剤がいいでしょう?
● 石ケンと洗顔フォームの違い
石ケンは界面活性剤の1つなので、洗浄力が強ければよいというわけではありません。クレンジングと同じように皮脂や天然保湿因子を取りすぎずに、汗やほこり、メイク汚れや古い角質などの不要物だけを取り除いてくれるものを選びたいです。
例えば、安い石ケンで顔を洗うと後で肌がつっぱることがあります。これは洗浄力が強いために必要な潤い成分も洗い流しているためで、さらに、石ケンカスが残れば快適とは言いにくいです。
一方で、洗顔フォームはあまりそういうツッパリ感を感じないものが多くないでしょうか?
これは洗顔フォームにはさまざまな界面活性剤を混ぜることが可能なので、洗浄力を強くしたければ石ケン系、弱酸性のものなら弱いタイプの界面活性剤と、自分の目的に合ったものをを選べる点がメリットです。さらに、洗顔フォームには、油分の配合も可能なので、オリーブオイルなどを混ぜて潤いを補充することもできます。
もしも、洗顔用の石ケンを選ぶなら、一般的な安価な石ケン(機械石ケン)より、少し高めの洗顔石ケン(枠練り石ケン)がおすすめです。
洗顔石ケンは、時間と手間暇をかけて作られる洗顔用の石鹸です。人工的な香料や色素を排除したり、美容に効果的な植物オイルを加えたりと、洗顔による肌へのダメージを抑える工夫をして作られているので、長く使えば使うほど肌への悪い影響が抑えられます。
● クレイ洗顔料
クレイとは泥です。きめ細かくて汚れの吸着力の高い泥は、エステでも泥パックとして使われています。
クレイ洗顔料は、毛穴につまった汚れや古い角質だけを取り除いて潤いを残し、ツッパリ感や肌へのダメージが少ない優れた洗顔料で、乾燥肌や肌荒れ、ニキビ肌にもおすすめです。
【洗顔の注意点】
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③ 保湿ケア
シミ・くすみをケアするにも、美肌のためにも潤いは欠かせません。
今までの化粧品で保湿効果に物足りなさを感じたら、エイジングラインに切り替える時期かもしれません。最近は、オールインワンジェルにも保湿力が高いものが登場しているので、あまり費用をかけたくない人にはおすすめです。
アミノ酸、セラミド、ヒアルロン酸などの保湿成分が豊富な製品は、肌の潤い効果が期待できますので、少し高くなりますが、肌への負担を減らして保湿効果をアップさせたいときにはおすすめです。
さらに、週に1、2回、定期的な保湿パックを取り入れるのもおすすめです。
④ マッサージ
美顔マッサージは、いろいろな美容家が推奨されたものがありますので、自分が続けられそうなものを選んで毎日1分でもいいから続けることが大事です。
マッサージを行うと血行が促進されるので、顔色が悪いために顔がくすんでいる人にはもちろん、肌ステインやその他のシミ・くすみ、しわ改善-と美肌全般にも効果的です。
コロコロマッサージができる美顔器もいいですが、あまり強い肌への刺激になるものは、コラーゲンがつぶされたりするリスクもあるので軽く血行を促す程度のものがいいようです。
もしも、自分でフェイシャルマッサージを行うより早く効果を得たいと思ったら、光効果が得られるフェイシャルエステを利用したり、脱毛と美肌効果が得られる脱毛エステサロン ディオーネなどを利用するのもいいかもしれません。
⑤ ピーリング
肌がごわついていたら、古い角質が残っているかもしれません。スクラブ入りの洗顔料で古い角質を優しく取り除きターンオーバーが正常になるようにしましょう。
植物の殻を砕いた固いピーリング成分より、こんにゃくや固めのジェルを使ったピーリング剤だと肌への刺激が抑えられます。
体調を整えてターンオーバーを正常化
1.ストレスでシミが増える!?
このように、紫外線や肌への刺激や間違ったスキンケアの他にも、シミができる原因としてストレスがあります。
ストレスを感じると、体内に活性酸素が多く発生します。酸素呼吸をしている人間の宿命であるこの活性酸素は、身体に大量に発生すると身体組織を錆びさせ、病気や老化の原因になる怖い物質です。
この活性酸素を無力化させる成分が抗酸化物質と呼ばれる物質です。活性酸素を無力させて体内を修復すべき抗酸化物質が、ストレスがあるとストレスによって消費されてしまうと、本来、メラニン生成を抑えたり、メラニンを排出するために使われるべき抗酸化物質が足りなくなると言われています。
また、ストレス解消にも役立つ質の良い睡眠は、ターンオーバーにとっても欠かせません。
細胞は夜眠っている間に修復されたり再生されターンオーバーも睡眠中に行われます。よって睡眠不足になれば、ターンオーバーが乱れる原因になるので、十分に睡眠を取ることはターンオーバーにとってとても重要です。
2.バスタイムがシミを悪化させる!?
バスタイムは、リラックス効果でストレス解消にも役立ち血行を良くする効果が期待できます。
でも、意外とバスタイムにやりがちなシミ・くすみ、美肌にとってNGなことがあります。スキンケア効果を高めるためにも、今日からシミ・くすみを悪化させる習慣はやめましょう。
・熱いお湯で顔でこすらない
熱いお湯は皮脂を洗い流し、肌を乾燥させるので肌にとってはあまり良くありません。さらに、肌をこすると刺激によってシミやくすみが濃くなるので、肌に触れるときは刺激を与えないようにしましょう。
・シャワー洗顔はやめよう
洗顔後に、シャワーの熱いお湯を直接顔に当てるのは良くありません。水圧もお肌の刺激になるので、25~30度のぬるま湯を使い、直接シャワーではなく一度手にためてから優しく洗い流すようにしましょう。
・ぬるめのお湯でゆったり入浴する
最近はお湯をためずにシャワーだけで済ます人も多いようですが、湯船にお湯をためてはいると身体を温め血行を良くしてシミ・くすみに効果があります。
ただし、ひどい日焼けの後は、肌の表面が炎症を起こした状態なので長湯は禁物です。お風呂の後は肌を冷やすスキンケアをしてから十分に保湿ケアをしましょう。
美肌の救世主ビタミンCを利用する
美容に欠かせないスーパー成分といえば、ビタミンCです。ビタミンCは、化粧品成分として利用されているときは、アスコルビン酸と書かれています。
ビタミンCの美容効果はものすごくたくさんあります。しかし、1つ挙げるなら、強力な抗酸化作用です。酸化は老化の大きな原因です。
ビタミンCは、酸化を抑え老化させなくする効果がある成分なのです。
その他、美白、シミ・くすみの改善、ターンオーバーの促進・・・。美容だけでなく健康にも欠かせないビタミンCは、化粧品やサプリメントにも幅広く利用されるスーパー成分なのです。
しかし、ビタミンCは酸素や温度によってすぐに壊れてしまう不安定な成分でもあるので、食事から摂るときはなるべくビタミンCが壊れないように調理して効率的に摂りたいです。
ビタミンCといえば、レモンやイチゴといった果物が思い浮かびますが、厚労省の「食品成分データベース」によると、ビタミンCを多く含む食品は、アセロラ、ケール、煎茶、グァバ、トマピー、赤ピーマン、黄色ピーマン、キウイフルーツ、パセリ、ブロッコリーなどです。
できるだけ生で食べるほうがビタミンCを摂れますが、食べにくいものはスムージーにするなどして摂るようにしたいですね。
全食品におけるビタミンCの多い食品ランキング
果物におけるビタミンCの多い食品ランキング
化粧品では、ピュアビタミンCより人工的に安定した構造に作られたビタミンC誘導体が利用されることが多いです。ビタミンC誘導体は、皮膚に付けた後、ビタミンCに変わるのですが全部が変わるわけではないので、美容効果はピュアビタミンCのほうが断然高いです。
しかし、ビタミンC誘導体もかなり進化して保湿効果に優れたものや、浸透したときにそのままでビタミンCと同じ働きをするものまで登場しており、アンチエイジング対策の化粧品に重宝されるようになっており、特に化粧水に配合されることが多いです。
このビタミンCは、タバコを吸ったり、精神的なストレスが多くなると大量に消費されてしまい、シミ・くすみのために使用される量がへります。貴重なビタミンCを美肌のために使えるようには、喫煙をやめストレスを溜めないことが大事です。
まとめ
シミ・くすみには、さまざまな原因があり対処法も異なりますが、ターンオーバーの正常化は共通した改善策です。正しい皮膚の知識を知り、毎日の洗顔や正しいスキンケアを心がけるだけで将来の肌は全然違ってきます。
高い化粧品を使えば美肌になる-というわけではありません。自分に足りない成分を補い、正しく使い、なるべくストレスのない規則正しい生活、バランスのとれた食事を意識して、できる範囲で肌にストレスをかけないようにすれば、おのずと美肌に近づけるに違いありません。